「速度」とは、
ある物体がある時間内で移動する距離
のこと。
例えば、1 [m/s] だったら「1秒で1 m 動く状態」のことで、1 [km/h] だと「1時間で1km動く度合い」を表しています。
日常生活でもよく使うこの「速度」。
じつは2種類あるんです。
ずばり、
- 対地速度
- 対気速度
ですね。
対地速度とは?
その名の通り、地面に対しての速度です。
どう転んでも動かない地面に対して、ある一定時間にどれだけ動いたのかを表す速度ですね。

これは日常生活でよく目にする「一般的な速度」と思って構いません。
例えば、自動車のスピードメーターとかは対地速度ですね。
車のメーターが
80 km/h
だったら、地面に対して1時間あたり80km進む速度といえるのです。
対気速度とは?
その名の通り、空気に対する速度です。
巷では「エアスピード」と呼ばれていますね。
空気に対してある時間内にどれくらい進むか表しています。

例えば、対地速度 1 [m/s] で空中を動いている謎の物体があったとしましょう。
この時、反対方向から向かい風 1 [m/s] 出ていた時の対気速度を考えてみます。
対気速度は向かい風の1 [m/s] に対しての速度なので、その速度を足した分が風に対しての相対速度、つまり「対気速度」になるのです。
したがって、この物体の対気速度は、
$$1 + 1$$$$= 2 m/s$$
です。

逆に、追い風が吹いたらどうでしょう?
地上に対して1m/sで進んでいるものの、空気と同じ速度で同じ方向に進んでいるので、相対速度は0。
$$1-1$$$$= 0 m/s$$
つまり、対気速度はゼロなのです。

航空機は対気速度を重視する
さあ、だいたいわかってきましたね。
- 対地速度
- 対気速度
の違い。
それではなぜ、対気速度という「空気に対しての相対速度」を考えるのでしょうか?
じつは対気速度は、飛行機やドローンなどの「航空機関係」で使うのです。
その理由には「揚力」が関わってきます。
揚力は対気速度が大きいほど生まれやすいのです。
対地速度がものすごく速く、地面に対してびゅんびゅん走ったとしても、同じ方向に同じ速さの風が吹いていたら対気速度はゼロ。
揚力は生まれません。
逆に、地面に対してあまり速く走っていないにもかかわらず、向かい風がむっちゃ吹くとどうでしょう?
対気速度が速くなり、揚力が生まれます。
このように航空機では対地速度だけじゃなく、対気速度にも注目していきましょう。
それでは!
Ken
【参考図書】

1990年生まれ埼玉育ち。
第4級アマチュア無線技士、ドローン検定1級。