バッテリーにも抵抗がある・・・!
前回、電気回路の配線抵抗の計算しましたね?
じつは、配線以外にも抵抗を持っている電気回路の要素があります。
それはバッテリー(電源)です。

回路に電流を流すパワーの源「バッテリー」にも抵抗があるんですね。
実際の回路では、オームの法則通り回路に電流は流れず、電流が小さくなります。
その理由は、バッテリーの内部抵抗が要因なのです。
内部抵抗があるからこそ、回路全体の抵抗値が大きくなり、結果として電流が小さくなるんですね。
バッテリー内部抵抗は1種の「性能」であり、内部抵抗が小さいほどより多くの電流を流せることを意味します。
バッテリー内部抵抗の計算方法
さて。
ドローン検定に出るバッテリーの内部抵抗の計算問題を解いてみましょう。
次の5ステップで解けますよ。
内部抵抗をかく
バッテリーの内部抵抗を考慮した回路図をかきましょう。

負荷に接続していない回路図でも、バッテリーの内部抵抗を考慮すると次のように抵抗があるはず。

内部抵抗の電圧降下を求める
バッテリーの内部抵抗にかかる電圧降下を求めましょう。
内部抵抗の求め方は簡単で、
(負荷なしの出力電圧)-(負荷ありの出力電圧)
です。
例題では、
負荷なしの出力が20 [V] に対して、負荷ありの出力電圧が13 [V]
でしたね?
つまり差し引き
$$(負荷なしの出力電圧)-(負荷ありの出力電圧)$$$$= 20 – 13$$
$$= 7 [V]$$
バッテリーの内部抵抗には 7 [V] の電圧降下があるのです。

内部抵抗を計算
次はオームの法則でバッテリーの内部抵抗を計算します。
先のステップで内部抵抗にかかる電圧降下が求められましたね?
もう1つ必要なのはバッテリー内部抵抗に流れる「電流」です。
回路図をみると、負荷に接続すると直列回路になっています。
そして今回はこの負荷に7 [A] の電流を流しました。
直列回路の電流はどこでも等しいので、この内部抵抗にも 7 [A] の電流が流れるはず。

内部抵抗をオームの法則で計算すると、
$$内部抵抗 = 電圧降下 ÷ 電流$$$$= 7 ÷ 7$$
$$= 1[A]$$
となります。
再び内部抵抗の電圧降下を求める
内部抵抗の抵抗値を使って、内部抵抗の電圧降下を求めましょう。

オーム法則を使えば、
電流 × 抵抗値
で電圧を求められましたね?
先ほどの流れで内部抵抗は1[Ω]とわかっていて、さらに今回流れる電流は 5 [A]。
よって、
$$電圧降下 = 電流 × 抵抗値$$$$= 5×1$$
$$= 5[V]$$
になります。
バッテリー出力電圧を計算する
内部抵抗の電圧降下を使って、5 [A] を流した時の出力電圧を求めます。
求め方は簡単。
(負荷なしの出力電圧)-(内部抵抗の電圧降下)
で求められます。
内部抵抗の電圧降下は先ほど求めたので、
$$(バッテリーの出力電圧) =(負荷なしの出力電圧)-(内部抵抗の電圧降下)$$$$= 15 – 5$$
$$= 10 [V]$$
が正解ですね。

ステップ数が多いですが、電気回路の基礎を押さえておけば大丈夫。
ぜひチャレンジしてみてください。
『ドローン検定計算ドリル』もあわせてどうぞ。
それでは!
Ken

1990年生まれ埼玉育ち。
第4級アマチュア無線技士、ドローン検定1級。