ドローン検定2級の問題でこんがらがるのが「ドローンの安定性」についての用語です。
それは
- 静安定
- 動安定
の2つ。

こいつらを一旦整理してみようではありませんか。
安定性とは何か?
それでは、そもそも「安定性」とは何かを振り返っていきましょう。
安定性とは、物体が外部から力を受け、安定が乱された時の「乱れの時間変化」のこと。
- 乱れても元に戻るのか?
- 乱れたままなのか?
- 乱れがもっと酷くなるのか?
を表しているのです。

そして、「安定性」には「静安定」の「動安定」という2種類あります。
静安定とは何か?
平衡状態から乱れが生じ、「ある方向」に進み始めた時の乱れのこと。
例えば、ドローンが地面に対して平行に飛んでいたとします。
しかし、突如、乱れてピッチが上の角度になってしまい、機体が上に進み始めた時は「静安定」の問題。

この静安定は「正・中・負」の3種類にわけられます。
正の静安定
まずは「正の静安定」ですね。
姿勢が乱れ、姿勢が元に戻って平衡状態に戻ることを表しています。

例えば、まっすぐ進んでいたものが、ある要因がきっかけで上に傾いてしまい、上に進み始めたとしましょう。
しかし、傾きが元に戻り、もとの平衡状態に戻ったら、これは紛れもなく「正の静安定」です。
中の静安定
続いでは「中の静安定」です。
1回傾いた角度を維持したまま、ずっと飛行を続ける状態のことです。

同じ角度のまま飛行を続けてしまうのですね。
ゆえに、静安定が中だと、時間と共に高度はどんどん変化します。
負の静安定
最後は負の静安定。
同じ方向・角度に乱れ続けることを指します。

例えば、機体のピッチが垂直方向に傾いたとします。
その傾きを維持するのでなく(正)、元に戻るのでもなく(中)、さらに同じ方角へ傾き続けるのです。
静安定が負だと、どんどんある方向に機体が傾いてしまうのです。
動安定とは何か?
さて、次は動安定です。
平衡状態から乱れるのは静安定と同じですが、乱れ方が違います。
ずばり、
「周期的に振動する」のが動安定の特徴です。

例えば、地表に平行に飛んでいたものが、機種の向き(ピッチ)が上に向いたり下に向いたり「周期的な動き」になっている場合。
機体自体が振動してしまうんですね。
機体が振動してしまったとき、時間が経つにつれてどうなるか表現したのが動安定なのです。
動安定には静安定と同じく「正・中・負」の3種類あります。
正の動安定
振動が時とともに小さくなる動安定のことを「正」と言います。

揺れていたのが、どんどん小さくなってもとに戻る安定性です。
中の動安定
時が経っても振動が小さくならず、そのまま振動し続ける状態を言います。

振動していた物体が、時間たっても同じ振幅で振動してしまうケースですね。
負の動安定
時が経つにつれて振動による乱れが大きくなる場合。

グイグイと振幅が、時がたつにつれて大きくなるのです。
「静安定」と「動安定」の違いは?
以上、静安定と動安定の概要でした。
両者の違いはずばり
乱れが「周期的」か否か
です。
振動する乱れの安定性は「動安定」で、上にも下にも機体の向きが変化するでしょう。
一方、静安定は「一方向への乱れ」の安定性を指します。
機体が上に傾いたら、上に傾き続け、下に傾いたら下に傾き続けるのです。
静安定で動安定の違いはドローン検定で狙われやすいです。
テスト前にしっかり復習しておきましょう。
よかったら『ドローン検定計算ドリル』もあわせて参考にしてみてください。
それでは!
Ken
【参考文献】

1990年生まれ埼玉育ち。
第4級アマチュア無線技士、ドローン検定1級。