ドローンの飛行高さ維持に必要な揚力の計算方法
ドローン検定1級・2級では、ドローンの飛行高さ維持するために必要な揚力を計算する問題がでできます。
例えば次のような問題ですね。
この手の問題は、次の計算で求められます。
(ドローンの機体重量 [kg] )× (重力加速 [m/s²])
つまりこの問題だと、
$$(ドローンの機体重量)× (重力加速)$$$$= 5 × 9.8$$
$$= 49 [N]$$
になりますね。
したがって、49 [N]が同じ高さでドローンを飛行させるために必要な揚力です。
ニュートンの運動法則を理解しておこう
それではなぜ
(ドローンの機体重量 [kg] )× (重力加速 [m/s²])
で揚力が出てくるのでしょうか。
これを理解するためにはニュートンの第2法則「運動の法則」を知っておく必要があります。
ズバリ、
F = ma
という計算式で表わされるもの。
- F=力 [N]
- m = 質量 [kg]
- a = 加速度 [m/s²]
じつは、これ、力の単位ニュートン [N] を定義した法則なのです。
つまり、力とは、物体に加速度を与えられるもののことなんですね。
例えば、静止しているボールを押して力を加えたとしましょう。
ボールは静止状態から、毎秒1 m ずつ速くなる加速度がでたとします。

この時、ボールの質量が1[kg]とすれば、力は
$$F = ma$$$$(力) = 質量×加速度$$
$$= 1 × 1$$
$$= 1 [N]$$
になります。
これを空中で飛行しているドローンに応用してみましょう。
ドローンは地球上にある限り、地球から引力(重力)を受けています。

地球から力を受けているということは、地球に向かって加速度が生じているはず。
地球上にあるすべての物体は「重力加速度」という加速度を、地球の引力から受けているのですね。
重力加速度はどれくらいかというと、
9.80665 [m/s²]
と、1901年に国際度量衡総会で定められました(Wikipediaより)。
ただ、例題のように重力加速度を9.8 [m/s²]とシンプルにすることが多いですね。

さて、ニュートンの運動法則で、ドローンに働いている重力を計算すると、
$$F = ma$$$$(力) = 質量×加速度$$
$$= (ドローンの機体重量)×(重力加速度)$$
$$= 5 × 9.8$$
$$= 49 [N]$$
つまり、49 ニュートンの重力を地球側に受けています。
そして、ドローンの高さを同水準で維持するためには、ドローンが外から力を受けていない状態にする必要があります。
つまり、
重力と釣り合う力を逆方向に与えればいいのですね。

2つの力が打ち消しあって、ドローンが外から力を受けていない状態になるのです。
ドローンの高さを維持するためには、揚力は「重力の反対側」に「同じ大きさ」で発生すればいい、ということになります。
つまり、重力が揚力です。
この場合、
揚力 = 重力
なので、揚力は重力と同じ49ニュートンになるのですね。
以上です。
ドローン検定に出てくる揚力の計算は難しくありません。
まずはニュートンの第2法則である運動法則をマスターしておきましょう。
『ドローン検定計算ドリル』を作ってみたのでこちらもあわせて参考にしてみてください。
それでは!
Ken
【参考書籍】